コラム

シリーズ「POSデータでみる地域性」第1回 アルコール飲料(京浜・九州)

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「POSデータで見る地域性」は、流通経済研究所が提供するPOSデータ分析ツール「NPI Report」機能を使い、全国各地のスーパーマーケットにおける売れ筋商品から見えてくる地域特性を読み解いていくコラムです。第1回は、アルコール飲料※1を取り上げます。 NPI Report では、1.北海道、2.東北、3.関東、4.京浜、5.北陸・甲信越、6.東海、7.近畿、8.中・四国、9.九州の地域ごとにPOSデータ分析を行うことが可能です。今回は、京浜と九州の2015年9月におけるアルコール飲料の売上金額、上位10商品を紹介します。

ビールでは「スーパードライ」、新ジャンルでは「のどごし」、「金麦」が、京浜、九州ともに人気であることがわかります。このように、遠く離れた異なる地域で同じように売上金額が上位となる商品がある一方で、地域に特有の上位商品も存在します。10位以内にランクインしている焼酎をみると、地域により顔ぶれが異なっています。表の中で色をつけた商品が焼酎ですが、京浜では2商品、九州では4商品が10位以内にランクインしており、両地域で商品の顔ぶれが全く違うことがわかります。九州のランキングで4~6位の「黒霧島」、「白霧島」は芋焼酎で、九州ならではのランキングだといえるでしょう。 このように、スーパーマーケットの商品販売実績であるPOSデータを地域別にみると、地域に根付いた食文化が見えてくることが少なくありません。政府が推進する地域創生や、海外からの観光客によるインバウンド需要などが注目される中、地域の風土に育まれ、地元に根付いた地域特有の商品を発掘し、光を当てることが今後ますます重要になるのではないでしょうか。

※1:集計対象としたアルコール飲料は、JICFS細分類で以下に分類されるものである。清酒, 焼酎(甲類), 焼酎(乙類), ビール, 果実酒, ウイスキー, ブランデー, スピリッツ, リキュール類, 発泡酒, その他雑酒。 
※2:集計対象の店舗は、GMS、SM、ミニSMのうち、酒取扱ありの店舗。

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