機能性表示の効果を見る

「特定保健用食品」と「機能性表示食品」

年々高まる健康ブームの象徴として普及が進む中、必ずしも詳細までは認知されていない「特定保健用食品」「機能性表示食品」。両者の違いはなんでしょうか。
今ではCMなどでも「トクホ」の名前で馴染みが深い「特定保健用食品」は、1991年に導入された制度です。実験データに基づき健康増進法の基準を満たす効果があることを国の審査の元に保証した食品を指します。いわば、国から健康維持・増進に関する効果の「お墨付き」を受けた食品ということになります。当然、認証に至るまでのプロセスに時間と費用がかかるため、商品の開発から店頭に並ぶまでには時間がかかります。
「機能性表示食品」は2015年4月に新たに始まった制度です。2017年2月現在、消費者庁のデータベースには500件以上の商品が届け出されています。
特定保健用食品との最大の違いは、健康の維持・増進に関する機能を国が「保証」するのではなく、事業者の責任において「表示」させている点にあります。事業者は過去の論文や研究データを消費者庁に提出することで、成分や効果ごとに定められた文言を使って効果を表示することができます。商品コピーとして目にする、「体脂肪が気になる方に…」「胃腸の調子を整える」等が該当します。届出てから60日後には商品の発売が可能となるため、特定保健用食品に比べて商品開発から販売までの時間を短縮できる点が企業から注目を集めています。

機能性表示と売上

図1は、機能性表示食品のJANコードを用いて、NPI Reportで算出した 2015年4月1日~2016年5月31日までの1年間における機能性表示食品の売上高ランキングです。今回はランキングの首位を飾る「グリコ 朝食プロバイオヨーグルト 375g」(以下、BifiX)に注目してみてみましょう。
以前から販売されていたBifiXが機能性表示の指定を受けて、パッケージを変更したのが2015年9月28日 になります。図2はNPI Reportに基づくBifiXとヨーグルト全商品の月別金額PIトレンド分析です。金額PIとはPOSデータ分析で用いられる代表的な指標で、来店客1,000人あたりの販売金額を示したものです。カテゴリー全体と商品単独を比較するために、機能性表示制度が開始された2015年4月時点の金額PIを100として比較します。
トレンド分析の結果からは、機能性表示食品となった翌年には金額PIが増加していることが分かります。消費者の機能性表示食品への認知が高まっていったことが影響しているのではないでしょうか。
楽天リサーチ社の2016年7月の自主研究 によれば、機能性表示食品の認知度は2015年の調査と比較して13pt上昇し、調査対象者の45%に認知されているとの結果が出ています。消費者の認知が高まるにつれ「機能性表示」が売上に与える影響は大きくなっていくことでしょう。今後も各社は続々と機能性表示食品を開発していくことが予想されます。
先行する特定保健用食品は店頭に専用売場が設けられるケースが増えています。機能性表示食品もゆくゆくは同じように専用売場が設けられていくことでしょう。同じ機能性表示食品という枠組みの中で、消費者に選べれる商品となるためには、今まで以上に、広告や宣伝、店頭での売場施策が重要になってくることが予想されます。

※1 機能性表示食品のJANコードを指定して、NPI Reportから抽出した。JANコードによるデータ抽出に関するお問い合わせはNPI Report運営事務局まで。
※2 グリコ 2015年9月15日プレスリリース(https://www.glico.com/jp/newscenter/pressrelease/7665/)
※3 楽天リサーチ 「食品表示に関する調査(2回目)」2016年7月5日(http://research.rakuten.co.jp/report/20160705/)