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第2回 カップ麺(京浜・近畿)

「POSデータで見る地域性」は、流通経済研究所が提供するPOSデータ分析ツール「NPI Report」機能を使い、全国各地のスーパーマーケットにおける売れ筋商品から見えてくる地域特性を読み解いていくコラムです。第2回は、カップ麺を取り上げます。

NPI Report では、1.北海道、2.東北、3.関東、4.京浜、5.北陸・甲信越、6.東海、7.近畿、8.中・四国、9.九州の地域ごとにPOSデータ分析を行うことが可能です。今回は、京浜と近畿の2015年10月におけるカップ麺の売上金額、上位10商品を紹介します(近畿の上位20商品はTOPで紹介しています)。

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国内人口が減少する中、メーカーにとっては、人口が集中している地域に自社商品を流通させ、多くの消費者に届けることが従来にも増して重要になっています。東京、大阪という二大都市を擁する巨大市場、京浜と近畿の両地域でランキング上位に登場する商品を見てみましょう。

カップ麺の代名詞ともいえる「日清カップヌードル77g」、ならびに、「日清カップヌードル シーフードヌードル75g」、「日清カップヌードル カレー87g」の3商品が、両地域で10位以内にランクインしており、貫禄を感じます。「カップヌードル」は1971年、「カレー」は1973年、「シーフード」は1984年の発売で、長きにわたり愛され続けているロングセラー商品ですが、京浜で14位にランクインしている「日清 カップヌードルトムヤムクン 75g」(近畿では25位)など、様々な派生商品を生んでいることからも、「日清カップヌードル」のブランドとしての強さがわかります(ちなみに、「カップヌードル」発売当時に20歳だった人は今年64歳。来年には65歳となり、高齢者となるわけですが、若者の食べ物の象徴的存在だった「カップヌードル」と共に歩んできた世代ということもあり、高齢者という語を使うのがはばかられます)。

東西で同じように人気を博す商品がある一方で、東西で売れ行きに差がある商品もあります。カップ焼きそばに注目すると、京浜で3位の「ペヤング ソースやきそば120g」が近畿では16位、近畿で3位の「日清 焼そばU.F.O. 129g」、8位の「日清 ソース焼そばカップ 104g」が、京浜ではそれぞれ18位と85位、というように、東日本、または西日本で特に人気が高い商品があることがわかります。また、カップうどん、カップそばのように、商品名は同じであっても、東日本向けと西日本向けでつゆなどを変え、地域に根付いた食文化に適応しているケースも見られます。

前回のコラムで取り上げたアルコール飲料では、地域によって人気の焼酎に差があるなど、土地の風土と食の関係がPOSデータでみる売上にも顕著に表れていましたが、いわゆる工業製品であるカップ麺においても地域特性が鮮明に表れる結果となりました。最近、メーカーによる地域限定商品が話題になることが多いですが、大手小売業においても従来の本部主導のマーチャンダイジングから、地域別対応へと舵を切る動きが目立っています。食品メーカーにとっては、各地域の消費者のニーズを知り、卸売業や小売業と一体となって消費者の支持を得るような取り組みがますます重要になるのではないでしょうか。